門脈とは
静脈の一種で、腸や脾臓などの臓器(腎臓以外)で得た栄養たっぷりの静脈血を肝臓に運ぶ道です。栄養はたっぷり含んでいますが、静脈血なので酸素は含んでいません。
肝臓への流入血管(門脈と肝動脈)
肝臓に流れ込む血管は門脈と肝動脈があり、70%が門脈、30%が肝動脈を占めます。門脈は機能血管に属され、門脈を通って運ばれた栄養は肝臓で処理され、肝静脈という道から肝臓を出て下大静脈に入ります。
機能血管と栄養血管
門脈は機能血管に属されますが、それって何でしょう?機能血管に対して栄養血管があり、違いを以下にまとめます。
機能血管…他の臓器に酸素や栄養を運ぶ
栄養血管…その臓器自身が動くための栄養を届ける
機能血管=他の人にご飯を作って届ける(仕事)
栄養血管=Uber Eatsでご飯を届けてもらう(プライベート)
って認識でOK!
心臓、肺、肝臓、脳の栄養血管と機能血管を以下に示します。
心臓 | 肺 | 肝臓 | 脳 | |
栄養血管 | 冠動脈 | 気管支動脈・静脈 | 肝動脈 | 内頚動脈 椎骨動脈 |
機能血管 | 大動脈・静脈 肺動脈・静脈 | 肺動脈・静脈 | 門脈 |
”なにを”運んでるのかではなく、
どういう目的で運んでるかで栄養血管と機能血管に分かれるよ♪
門脈で覚えるべき血管4つ
門脈は肝臓に流入する機能血管の総称であり、いろんな名前の血管があります。
あ、無理…
こんなに覚えられない
安心してください。こんなに覚える必要ありません!4つだけ覚えましょう!
その4つとは左胃静脈(LGV)、上腸間膜静脈(SMV)、下腸間膜静脈(IMV)、脾静脈(SPV)です。日本語で覚えるのはもちろんですが、略語の方が臨床で多用しているので同時に覚えましょう!
CT検査の依頼コメントは
「LGV,PVメインでVRください」とか略語のオンパレード…
(↑これはまだ序の口)
左胃静脈 LGV
左胃静脈(Left Gastric Vein:LGV)はその名の通り胃の左側から出る静脈の名前です。
左胃静脈=LGV!と覚えるのではなく、左=Left、胃=Gastric、静脈=VeinだからLGVという感じで覚えた方がのちのち応用がききます。
上腸間膜静脈 SMV
上腸間膜静脈(Superior Mesenteric Vein:SMV)は上行結腸、横行結腸、小腸から出てくる血管です。
Superior=上の という意味は必ずおさえておきましょう!
脾静脈 SPV
脾静脈(Splenic Vein:SPV)は脾臓から出てくる血管です。
下腸間膜静脈 IMV
下腸間膜静脈(Inferior Mesenteric Vein:IMV)は下行結腸、S状結腸、直腸から出てくる血管です。
inferior=下の という意味はおさえておきましょう!
覚え方
4つ血管がどう走行するのかわからないという人へ、覚え方を伝授します。
白い紙に「斤」という字を「い じょう ひ か」と言いながら書いてください。
終わりです。
こうなります。人によって血管の走行は違いますが、大抵これでいけます。(実績あり)
まとめ
今日は門脈の基礎知識と主要血管4つについて解説しました。
この知識は外科OPE前のCT造影検査で3D画像を作成するときに役立つはずです!
さぁみんなで いじょうひか(異常皮下)!
ではでは、また明日~♪
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