アナフィラキシー様症状に立ち向かえ!放射線技師ができる8つのこと

CTを学ぶ

前置き

CT造影検査ではヨード系造影剤を静脈注射して投与します。このヨード系造影剤は安全性が確立されているものですが、まれにアレルギー症状が出る場合があります。

アレルギー反応とアナフィラキシー様反応の違いは?

CT造影時のアレルギー反応とは

 皮膚 蕁麻疹、紅潮
 消化器  悪心、嘔吐 
 呼吸器 くしゃみ、咳 

CT造影剤によるアレルギーは投与後すぐに起こり、かつ軽度なことがほとんどです。全検査に対して3~5%程度の確率で発生します。

造影剤を投与して数分経つとくしゃみが出たけどそれ以外はなんともなかった、ということがほとんどです。しかし、その後あれよあれよと血圧が低下し、呼吸困難など重篤な副作用につながることもあるため注意が必要です。

アナフィラキシーの定義とは?

アナフィラキシー

アレルゲンによって複数の臓器全身性にアレルギー症状が生じた状態

こういった定義がありますが、実際の臨床現場ではアナフィラキシーかどうかは検査しないとわからないため、重篤なアレルギー症状のことをアナフィラキシーという場合が多いです。

【アナフィラキシー症状】と【アナフィラキシー症状】にも厳密にいうと違いがありますが、厳密にわけて言っていないことが多いです。

アナフィラキシー症状…アナフィラキシーと確定したときの症状でつかう言葉

アナフィラキシー症状…アナフィラキシーなのかは不明だけど、症状からアナフィラキシーっぽいなという場合につかう言葉

アナフィラキシー様症状が出たらやること

上のポスターはコニカミノルタ社が作成したもので、アナフィラキシー様症状があった際の対応をわかりやすく明記してくれています。

アナフィラキシー様症状があった場合にアドレナリン投与をすることはどなたでもご存じかと思いますが、放射線技師は投与することはできません。

では放射線技師にできることって何でしょうか?

アナフィラキシー様症状があった際に放射線技師ができること

それでは本題です。アドレナリン投与ができない技師は何ができるのでしょう。

1.放射線科医を呼ぶ

2.応援看護師を呼ぶ

3.救急外来に連絡

4.救急カートを準備

5.ストレッチャーベッドサイドモニタを準備

6.ルート保持

7.タイムキーパー

8.依頼医にTEL

1.放射線科医を呼ぶ

造影検査をしているなら放射線科医もしくは依頼医が近くにいるはずなのですぐ呼びましょう。

2.応援看護師を呼ぶ

おそらくCT造影検査のために穿刺をした看護師がいるはずですが、もう一人看護師を確保しましょう。

3.救急カートの準備

CT室に常備されているであろう救急カートを検査室内に持っていきます。

この中にアドレナリンが入っているはずです。

看護師さんの管轄物品なことが多いと思いますが、放射線技師も救急カートの場所とアドレナリンがどこに入っているかは把握しておきましょう。

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4.救急外来に連絡

患者さんをずっとCT検査室にいさせるわけにはいきませんし、経過を追うためにも救急外来へ連絡します。

5.ストレッチャーとベッドサイドモニタを準備

救急外来にストレッチャーとベッドサイドモニタがあるはずなのでそれを準備します。

なお、ストレッチャーには酸素ボンベを備えておきましょう。

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6.ルート保持

CT造影検査なのでルートが残っていることが多いと思います(ルート抜去後にアレルギー症状が出た場合を除く)。そのルートを頑固として保持しましょう!!

というのも、アナフィラキシー様症状が出ると呼吸困難に陥り意識が朦朧として空気をつかむようにもがく場合があります。暴れるとルート抜去の恐れがあり、再度ルート確保をするのが困難になります。

それを防ぐために、動く患者さんは抑える、動かない場合でもルートをループ状にしてテープで留める等の対応は必要です。

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7.タイムキーパー

血圧、脈拍、アドレナリン投与時間など記録しましょう。

8.依頼医にTEL

総合病院なら依頼医が近くにいないと思うので、PHSに電話をして伝えましょう。

まとめ

今日はアナフィラキシー様症状がでたときの対応について話しました。

頻度が少ないために軽視されがちですが、現場に居合わせたときにアタフタするのを防ぐために各施設で事前に話し合うことが重要です。

ではでは、また明日~♪

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