私はCTのピッチというものが苦手です。ヘリカルピッチやらディテクターピッチやらピッチファクターやら言葉を統一してくれって常に思っています。
今回はそんな苦手なピッチについて解説します。
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これで少しでも苦手意識のある人が減りますように…♪
言葉を整理しましょう
「Pitch(ピッチ)」と言ってもいろんな言葉があります。まずそれらを整理しましょう。
大きく分けてピッチファクターとヘリカルピッチがあります。
PF(ピッチファクター)=ビームピッチ
HP(ヘリカルピッチ)=ディテクターピッチ
私はCanonメーカーのCTを使用することが多く、PF(ピッチファクター)とHP(ヘリカルピッチ)の言葉が一番しっくりきます。
ピッチファクターPF
テーブル移動距離 Δ
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CTは寝台が移動しながら管球が回ることでヘリカル撮影ができます。この際に管球が1回転する間に寝台が動いた長さを「テーブル移動距離Δ」といいます。
ビーム幅 NT
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管球から出る放射線の幅を「ビーム幅 nT」といいます。(コリメーション幅ともいわれます)
ここでのポイントは1個のディテクタ(列)の幅はTで、総ディテクタがn個だとすると、ビーム幅はT×nとなる点です。
ピッチファクターの式
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ピッチファクターはテーブル移動距離からビーム幅を割った数字となります。
(例)64列CTでスライス厚0.5mmでテーブル移動距離は32mm
ピッチファクター= 32/(0.5×64) =0.5
ピッチファクターでわかること
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ピッチファクターが1より小さいということはビーム幅が重なっている(オーバーラップしている)ということになります。オーバーラップしていると分解能が向上します。
ピッチファクターが1ということは螺旋状のビーム幅が離れていても重なってもいないということです。
ピッチファクターが1より大きいとデータが収集していない箇所(欠損)があるということになります。分解能が悪く、MPRや3D作成時に画像が階段状になります。
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ヘリカルピッチHP
ヘリカルピッチの式
ピッチファクターが理解できたらヘリカルピッチも理解できたのと同じです。
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ヘリカルピッチはテーブル移動距離から検出器1個の幅を割った値です。
(例)64列CTでスライス厚0.5mmでテーブル移動距離は32mm
ヘリカルピッチ= 32/0.5 = 64
ピッチファクターとヘリカルピッチの関係
ピッチファクターをヘリカルピッチの式より
ヘリカルピッチ=ピッチファクター×検出器列数
ということがわかります。
ただ、ここでいう検出器列数とは存在する最大列数ではなく使用したDASチャンネルの数と言う点に気を付けましょう。
おしまい
今日はピッチファクターとヘリカルピッチのお話をしました。
ピッチは撮影時の設定でも確認可能なので、ぜひCT撮影時にどういったピッチの条件になっているのか確認すれば楽しいと思います。
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ではでは、また明日~♪
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