キャリブレーションってなに?
キャリブレーションは日本語で較正(比べて正すこと)、校正(誤っていることを発見して正す作業のこと)、調整(ある基準に合わせて正しく整えること)などを意味します。
CTはX線を照射して対象のCT値を測る機械ですが、始めからCT値が測定できるわけではありません。ファントムを撮影し、「これが水(空気)だよ!」と教えてあげなくてはいけません。
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まるで警察犬みたいだね。
「これが犯人の匂いだよ!」と教えてあげる、みたいな感じかな。
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キャリブレーションによってCT値の変動補正とアーチファクトの発生防止を行っています。
CTのキャリブレーションは2種類ある
CTのキャリブレーションは以下の2つがあります。
ファントムキャリブレーション
エアーキャリブレーション
ファントムキャリブレーション (定期点検)
CT装置を購入した際に付属されているファントムを定期的に撮影し、補正データを収集します。
このときのファントムは水ファントムが多いと思います。
メーカーのフルメンテナンスに入っていたらメーカー点検の中の項目として入っているはずです。
エアーキャリブレーション (日常点検)
ファントムキャリブレーションが定期点検なら、エアーキャリブレーションは日常点検です。
毎日、空気をスキャンして、ファントムキャリブレーションによる補正データを微調節しています。ファントムキャリブレーションでしっかり校正して、毎日のエアーキャリブレーションで微調整している感覚です。
もしキャリブレーションを怠ると…
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左画像はきちんとキャリブレーションされている画像で、右画像は長期間キャリブレーションをしていなかったCT装置で撮影した画像です。(WL,WWは同じ)
右画像はリングアーチファクトに近似したアーチファクトが発生している上に、左画像と比べてCT値が違うことがわかります。
キャリブレーションでの注意点
我々は日常点検としてエアーキャリブレーションを常日頃から実施していますが、キャリブレーションする際は撮影領域内に寝台や異物がないか必ず確認しましょう。
仮に異物があったままキャリブレーションを行うと、アーチファクトが発生してしまいますのでご注意ください。
最後に
今日は以下の書籍を参考にしました。難しい表現があるわけではないため、肺がん検診CTを実施している施設のCT担当技師さんや肺がんCT検診認定技師を目指している方の必読書かと思います。
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ではでは、また明日~♪
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