今日は国試で頻出される被ばくに関する記事です。
実際の国家試験の問題は下の記事でも掲載しているのでご覧ください。
管電流
管電流(mA)は管球から発生するX線量を左右させます。
管電流が大きいほど照射線量が増え、被ばく量も大きくなりますが、ノイズは少なくなります。
逆に管電流を小さくすると被ばくは減りますが、ノイズは大きくなります。
近年ではノイズを除去する逐次近似再構成法もあり、被ばく低減に寄与しています。
管電圧
ほとんどの場合、CTでは120kVの固定管電圧を使用しているため、管電圧を触ることはありませんが、最近はやりの低管電圧を使えばノイズは増えますが被ばくを低減させることができます。
一般的に120kV→80kVに変更することで40%被ばくを低減できるといわれています。
詳しくは下の記事をご覧ください。
スキャン時間
あたりまえですが、X線を出す時間が長いほど被ばくは増えます。
ピッチ
「ピッチってなに?」って人は下の記事をご覧ください。
ピッチ>1 (例:ピッチ=1.48)
ピッチが1より大きい、つまりギャップがあるということになり、被ばくは減ります。
ピッチ<1 (例:ピッチ=0.64)
ピッチが1より小さい、つまり重なりがあるということになり、被ばくは増えます。
とくに心臓CTではピッチ0.2~0.4が必要で、患者の被ばくは大きいです。
X線ビーム幅
管球から出たX線ビームが被写体に入射するときの幅で、アイソセンターで定義されます。
薄いほど被ばくは増えます。
フィルタ
人体を透過すると軟X線(低エネルギーX線)は吸収され、画質に寄与しません。
画質に寄与しない無駄なX線を除去するため、管球の前にフィルタを設置し、軟X線をあらかじめ除去しています。
スキャン長
身長が高い人だとDLPが大きくなり、実効線量が増加します。
心臓CTの撮影法
プロスペクティブ心電トリガ法
心周期の一部分だけ撮像するため被ばくは低減します。
しかし、心拍が早かったり心拍が一定リズムでないと使えません。(実際には使えますが、心血管がブレブレの画像になります)
レトロスペクティブ心電ゲート法
心拍全周期を撮影した後に、任意の周期をチョイスして再構成します。
そのため被ばくは増えます。
まとめ
被ばくの関係をまとめます。
管電流 | mAに比例して増大 |
管電圧 | 一般的に比例して被ばく増大 |
スキャン時間 | 比例して増大 |
ピッチ | ピッチ小で線量増大 ピッチ大で線量減少 |
X線ビーム幅 | 薄いほど線量増加 |
フィルタ | 画質に影響しない軟X線の除去に有効(被ばく除去) |
スキャン長 | 比例して増大 |
心臓CT(プロスペクティブ) | 被ばく低減 |
〃 (レトロスペクティブ) | 被ばく増大 |
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ではでは、また明日~♪
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